私は全然知らなかったのですが、「ジーコジャパンとは」とかいう名前の楽しいビデオ配信がmsnでなされているのだそうです。

コレ

前編だけで90分とかいう狂的な話なので、およそ見ようという気はありませんが(笑)

で、その中でセルジオ越後氏と金子達仁氏が言いたい放題だったそうで…

そのあたりの羅列みたいなものが、以下のところ→セルジオ越後毒演会 セルジオ越後毒演会2 にあり、

またそれについてyoshiさんが意見を述べられています。

中々面白いものが多いので、私も一つ一つに対してちょいと考えてみました。



まずはセルジオ越後氏の発言から。


>「日本は実力主義じゃない、好感度を作ればメシが食える。」

ま~、一部の選手が必要以上にもてはやされるきらいは確かにあります。

ただ、プロスポーツの本質がサービス業であることからすれば、売れ行きがよければ飯が食えること自体は仕方ないんじゃないかという気もしないではないですが。

あと、日本におけるサッカーの立場はブラジルとは違うので、好感度をあげないといけないという部分もあるんじゃないかと思います。もちろん、その割にファンサービスという点で疑問な選手達もいるのも事実ではありますが。

ところでセルジオ氏は「金より内容より勝利だ」というニュアンスの発言が多く、私も全く同感ではありますが、しかしそういいつつ氏はアジアカップで買った時には内容を批判していたので結局のところよく分かりません…底意地の悪いカペッロとでも言うべきでしょうか。

まあ、以前朝青龍のけたぐりについての話でも書きましたが、批判することこそセルジオ越後(と横綱審議委員会)であり、セルジオ越後が「今日は良かったね。最高だよ」とか言い出すと多くサッカーファンが「ひょっとして日本のサッカーは本当に終わりなのではないか?」と思うでしょう。なんで別に私個人としては氏の言うことに特別反感を感じることもないですし、逆に迎合したりするつもりもないですが。



>「負けても協会の予算が増える国は日本だけ。」

どうでしょう。最近はイングランドも増えてるんじゃないですかね。「8強まで進んだからイングランドは勝ったんだ」と言われればそうなりますけれど…



>「興行的に怪しくなってきてるのに、箱だけ増やしてどうするの。」

確かに…

サッカーに限った話ではありませんが維持費を無視して何でも作りたがるのはどうにかしてほしいところです。

サッカーだけの話ではなく、日本行政にまつわる問題なので解決策は難しいです。実現しないであろう2016年の東京五輪に向けて何を作り、何に税金を投資するのやら…




>「南米やアフリカは日本より酷いグラウンドで上手くなってるのに、何で芝生に拘るの。」

これは同感。

そもそも濃霧と豪雪以外ならやるのがサッカーの特徴なわけで、100%のコンディションにこだわりたがるのは行きすぎな気も。

でも、デコボコピッチで靭帯切る人も多いんですけど…



>「日本のサッカーはプロではなく、単なる贅沢なアマチュア組織。」

選手に言っているのか協会に言っているのかよく分からないのですが、まあ、そう言われるとそうかも。

ただ、毎年のようにレギュレーションを変えているCBFもかなりいい加減な組織だと思うのですが…




>「ACLを中国や韓国まで見に行かないのに、ブラジルにはよく帰ったね。」

>「ジーコは静岡から西のJリーグの試合を一度も見に行かなかった。」


このあたりはジーコ批判であります。要は視察とかがいい加減であったと。

ただ、これが怠慢なのかどうかってのは実は分からないですけどね。

例えばワールドカップでベスト4に進んだ国の監督がジーコよりどれだけ真摯な態度で臨んでいたのかというと…

1.イタリア(リッピ) → パレルモあたりの試合も見に行き、そこそこバランスの取れたメンバーを選出。イタリアでは「トッティにこだわりすぎ」という批判もあったが、まずまず理想的な選考。さすがにリッピは素晴らしそう。

2.フランス(ドメネック) → 海外の試合を見に行ったことは無さそうで、ベテランを復帰させて以降は特に試合観戦の話もなし。最後は星占いに頼ったとも

3.ドイツ(クリンスマン) → 「今は衛星放送で全部見られる」とブンデスリーガの試合をスタジアムでは一回も見ないまま代表選出。

4.ポルトガル(フェリペ) → 基本的にはジーコと似たようなもので、試合を直接見に行ったことはほとんどなかったそう。選ぶ面子も同じだったしね。



という感じで、実は「沢山の試合を現地で観戦する」なんて代表監督の方が今や少数派なんじゃないかという気がしますし、それで結果を残すほうがむしろスタンダードなのではとも。

クリンスマンあたりからすると「別にテレビで見ても分かるところは分かるし、スタジアムに行った時にヤイヤイ言われたりあらぬ話が飛ぶのも嫌だ」というところでしょうか。この理屈からすればジーコの問題は「東日本の試合を見に行くのがエコヒイキと思われて良くない。見ない試合を作るくらいなら一つも現地で見るべきではなかった」なんてなるのかも。

新幹線で移動して西日本に行くなら、その時間で西日本の試合を三つビデオで見ていた方が効率としては上です。ジーコがそうしていたかどうかは知りませんが(笑)



「多くの試合を現地で観るべき」という意見は実際日本のサッカーファン大多数の考えでもあるんでしょうけれど、少なくとも欧州とか南米は今後はますますソフトやITに頼る比率がどんどん増していくような気がします。

例えばドゥンガあたりはおそらく自身はほぼブラジルにいて、一方で気心の知れたスタッフを世界中に飛ばして、目ぼしい選手の要点だけまとめたDVDをず~っと見つつ、選考しているんじゃないかと思いますし。

選ぶ人が選べばそれで十分だろうと思いますしね。ある意味代表監督の視察なんて広告塔としての役割もあるんでしょうし、関東圏での基盤をしっかりさせておきたいという思惑にジーコが協力させられていた部分もあるんじゃないですかね。

だったら現地観戦などさせずに全部落ち着いた場所で見させてあげた方がいいのかも。

オシムの場合はどうなのかは分からないですが…



>「日本のサポーターは90分間ずっと歌ってる。ディスコじゃないんだよ。」

メリハリがあってもいいような気もしますが、「MLBの方がいい、いい」と言われつつ野球はWBCで一応勝ちましたし、応援の仕方でそんな変わってくるものかは何とも言えません。

しかし、後で金子氏も同じようなことを言っていますが、そこまで言うのならJの試合でいいのでサッカースクールの子供達でも連れて模範を見せてくれって気もします。アウェー席がガラガラの試合は沢山ありますし、手頃な試合はいくらでもあるのでは…



>「サテライト改革しないと。若手が何してるか、わからない国には明日が無い。」

これはごもっとも。

これが不安ということもあって伊藤翔はフランスに行ったのだろうと思っていますし、今後そうした選手が増えていくんじゃないかと思っています。

どこかのユースをしっかり見ているとかそういうことはないので、あまり批判がましいことを言う資格はないですが、正直ユース上がりの選手などを見ているとチームの必要とサテライトがリンクしていないんじゃないかなと思えるケースも結構ある気がします。どう育成しようとしているのか、指針を決めきれていないまま気付けば器用貧乏な選手になっているというパターンが多いような気が。



次に金子氏の発言について。


>「代理人が日本人選手を売り込みに行くと『日本人はいらない、韓国人選手はいないのか』と聞かれる。」

ありえない話ではないですね。移籍金が高いという問題もありますし、最近でこそ多少散らばるようになったものの、日本人には「ベルギー? ハァ?」みたいな態度をとる選手達もいたでしょうしね。活躍できないのに金がかかる、態度が大きいとなると確かに獲りたくなくなるのは分かります。

あとはパクチーとかソルギヒョンあたりが地道なステップアップをしていったのに比し、日本は中田英寿が成功したので皆ヒデみたいにいきなり上を目指しすぎた部分があるのかも。韓国人でもいきなりスペインに行ったイ・チョンスは失敗しましたし。




>「日本人の出場時間はある程度は契約で保証され、それを過ぎるとベンチ送り。」

なるほど、OとかSとかNとかはそうだったのか(笑)。



>「ゴール裏は目利きの集まる場所。サポーターはサッカーの機微を潰してる。」

これは以前も書きましたけど、サポーターが機微を知っていて雰囲気がよければ最高なんでしょうけれど現実としてどうなのというのがありますし、サポーターが素晴らしい応援をするスコットランドとかは弱いので、あまり関係ないような気も。

あくまで氏個人の意見以上のものとしては受け取れないです。




>「日本人はどんな悪い状況に陥っても、いつか神風が吹くと思い込んでる。」

まあ、サッカーだけではないし、日本だけでなく韓国とか中国も似たようなところはありますけどね。



>「JのどんなクラブよりJFAが一番立派なビルに居を構えている。」

言いたいことは分かるんですけれどね。

ただ、例えばコートジボアールあたりはクラブの建物より代表の建物の方が立派だと思いますけどね(笑) ポーランドあたりもどうなんでしょうか…

イタリアやスペインあたりでは「代表の権威が失墜した。今やクラブの金儲けのために利用されている」なんて嘆かれていたりもするわけで。どっちがどっちとも言えないような気が。

隣の芝は青く見える的部分もあるんじゃないかと思いますね。



いずれにしましても、進歩をするためには何を変えるかを論じているだけでは意味がないと思うんですけれどね。何を残すか、という要素がなければ進歩のしようがないわけであります(別にサッカーだけに限った話じゃない)。残すものがなければ単なる破壊に過ぎず、0からリスタートすれば先を進む相手に追いつくのがますます苦しくなるというのは自明の理だと思うのですが、評論家は悪いことしか言わず、何が良かったかをあまり指摘しないから困ったものであります。

ま、ついでに、日本におけるサッカーの立場は野球の下、相撲あたりと競っているという状況で一番受け入れられているとされる西欧やブラジルと同じ目線で論じること自体にも無理があるかと思われます(虎ファンを主張する金子氏はそのあたり分かっていても良さそうな気がしますが)。



国のサッカーをどうするかなんてのは西欧の国あたりと話していてもおそらく日本での解決策にはならないでしょう。チェコとかメキシコ、アメリカあたりのサッカーが二番手になっている中堅国のサッカーを愛する専門家同士を交えて話し合うのが一番意義や面白みがあるんじゃないですかね。


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