ニュースとしては遅いですが、大分トリニータの梅崎司グルノーブル入りを果たしました。先日の伊藤翔に続き、梅崎もグルノーブルの一員となったわけですが、本当に最近は日本選手の欧州行きが加速していますね。ただ、彼らに関しては少し気をつけて見なければいけない部分もあります。今まで、日本人選手の欧州移籍というのは、中田英寿、中村俊輔、小野伸二、高原直泰らのように、日本(Jリーグ)で力をつけてからの移籍が多く、向こう(欧州)ではある程度即戦力として扱われていた部分もありました。しかし、平山相太から始まり、森本貴幸、そして伊藤翔梅崎司という最近の移籍は10代での移籍で、向こうでは決して即戦力とは扱われていないはずです。それなのに、メッシ、セスク、イニエスタなど若い選手がワールドプレーヤーとして取り沙汰される今では、あまりサッカー事情を知らないマスコミは、「○○、今回もベンチ入りせず」とか「△△、ベンチ入りも■試合出場無し」いう見出しを付けてしまうため、我々ファンが困惑してしまうことがあるのです。よくよく考えれば、10代で欧州の1部リーグで試合に出場するというのは、欧州の人間の中でも一握りですし、ベンチ入りすること自体難しいのですから、こういった10代の選手の移籍には、マスコミ側ももう少し長い目で見てあげる必要があるのではないかと思ってしまいます。

さて、今回はFAカップ4回戦の試合の中から、アーセナル対ボルトンの試合についてお話したいと思います。

先週末、イングランドではプレミアリーグではなく、FAカップが行われました。アーセナルは最近好調で、FA杯、カーリング杯という2つのカップ戦ではリバプールを下し、この試合の前にはマンチェスター・ユナイテッドを撃破するなど、さらに勢いに乗っています。今回は宿敵ボルトンに対してこの勢いを活かしてねじ伏せたいところです。対するボルトンは今季も上位を維持してこちらも好調、と言いたいところですが、現在プレミアでアーセナルに続く5位ながらリーグでは今年に入ってまだ勝ち星がありません。ただ、相手は相性の良いアーセナルですから、お得意の“中盤を飛ばした攻撃”で勝利を挙げ、悪い流れを断ち切りたいところです。両チームのスタメンですが、アーセナルはウォルコット、ホイト、アルムニアが先発、ボルトンはデュウフが出場停止のためセンターFWにアネルカ、左にケヴィン・デイヴィス、右にヤナコプーロスと面白い面子が揃いました。

試合は、序盤ボルトンがCKで決定的なシーンを作りますが決めることが出来ません。ここから中盤まではどちらも攻めきることができず、落ち着いた試合となってしまいますが、アーセナルの方が攻めあぐねているようで、どちらかといえばボルトンペースで試合が進んでいきます。しかし、終盤にはアーセナルのボール回しが少しずつ見え始め、ボルトンDFの不用意なバックパスからアンリが決定的なチャンスを得ます。ただ、このチャンスはボルトンDFが体を張って止め、ゴールには至らず、前半は0−0で終了します。

後半に入ると、早速試合が動きます。50分、左サイドでボールを奪ったボルトンはアネルカ→ギャリー・スピード→ノーラン→アネルカ→ケヴィン・デイヴィスと全て1〜2タッチで繋ぎ、デイヴィスの打ったシュートはパスのように逆サイドのノーランの下へ。そしてノーランはトラップ後、落ち着いてゴールへ蹴りこみ、まるでアーセナルのお株を奪うような攻撃でボルトンが先制点を挙げます。すると、この1点で試合は大きく動き出します。直後に一度ボルトンがチャンスを作るものの、その後はずっとアーセナルが猛攻を仕掛けていきました。そして78分、ペナルティエリア付近右サイドでアーセナルがFKを得ると、セスクの蹴ったボールはニアでボルトンDFが触りますが、ファーに逸れたボールに対してフリーで飛び込んできたトゥレが頭で押し込み、アーセナルが同点に追いつきます。この後アーセナルはボールを回しながら何度も中央へボールを送りますが、ボルトンが殻にこもり始めてからはなかなか決定的な場面を作ることが出来ず、最後までボルトンが守りきる格好で試合が終了。結局1−1でこの試合は再試合に持ち越されることになりました

この試合は終始ボルトンペースだったと思います。やはり、相性というものがあるのか、アーセナルは最近好調が嘘のようにボルトンに合わせてしまっていました。ボルトンは基本的に中を固めて守り、アーセナルがボールを回しながら攻めてくるとゴール前ではきっちり防ぎ、ボールを奪うとロングボールなどで一気に前線へ送ってしまいます。そのため、アーセナルは常にボルトンのカウンターをケアしながら攻める、つまり全員が前がかりになってボール回しに参加できなくなってしまうという後手後手の攻め方になってしまいました。ボール回しには最低限人数が必要ですから、その分攻撃にも迫力がありませんでした。

後半ボルトンに得点が入ってからは、ボルトンの選手も守備に集中することで攻め気が薄れ、アーセナルの選手は1点を獲りに行かなければならない状況になったため、アーセナルが押し込むことができましたが、ボルトンとしてはこれがプラン通りであり、最悪引き分けでも良いと考えていたはずですから、この時間帯でどちらが主導権を握っていたかと言われるとボルトン側だったような気がします。この2チームは正反対のサッカーをするチームと言っていい2チームですから、(今までの試合もそうですが)今回の試合もそのサッカーの相性というのが出た結果、ボルトンのペースになったのではないかと思いました。

さあ、これでアーセナルとしては、チャンピオンズリーグが再開するこの時期に余計な試合を一つ増やしてしまう結果となりました。しかも次回はボルトンのホーム。そういった点を加味すると、今回の試合はまさにボルトンのプラン通りと言えるのではないかと思います。すでに前回覇者のリバプールと準優勝のウェストハムが消えてしまっているFAカップですが、今年はどこが制するのか非常に楽しみです(^_^)

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