毎年この季節あたりになるとイタリアから聞こえてくるのが、ネドベドの去就に関する噂である。

一般には少し受け入れがたい、言い換えれば玄人好みする選手ではあるが、その体力と精神力はサッカー界では十二分に認知されており、彼を欲しがらないクラブや監督などまず存在しないのではないだろうか。

ただしそこには注意書きがつく。
ネドベドが20代後半から30代前半ならば。

ネドベドもすでに36歳である。
当然年齢には勝てず、プレースタイルからくる勤続疲労からか怪我がちであり、治りも以前に比べれば当然遅くなっていることだろう。

クラブにとって厄介なのは、そんなネドベドが今後の意志を明言しないところである。何も彼をお払い箱にしようとは考えていない。これまでの一選手としての、そしてユベントスに貢献したキャリアを考えれば、仮に引退するなら盛大に送り出したいというのがクラブの本音であろう。その一方で、彼の空いたポジションを埋める作業も同時進行で考えなければならない。だがネドベドが去就を明確にしない今、果たして後継者を決めることが彼のプライドを傷つけることにはならないだろうか。それによって彼の引退を早めることにはならないだろうか。その反対に、当然その後継者は前任と同レベルの選手でなくてはならず、その選定には注意深く臨まなければならない。そうなるとクラブは先行きが不透明なまま、砂漠の中から飴玉を見つけ出すような苦しい任務を遂行しなければならない状況であると言えよう。

クラブは1つの打開策として先手を打った。ネドベドに対して2つの選択肢を用意したのだ。1つは今シーズンで引退し、クラブのユースチームのコーチに就任する案、もう1つは来シーズンも契約するが、出場試合数に応じた給与が支払われるという案だ。将来手形を見せて敬意を示しつつ、ネドベド後へシフトチェンジしたいクラブの本心がこのあたりにも見え隠れするが、これはネドベドにとっても悪い話ではない。去就を決断できない理由が心と体のバランスであることを本人が一番分かっているからだ。もっとプレーしたい気持ちと同様に、中途半端な気持ちと体ではプレーしたくない。ネドベドとはそういう選手であり、仮にプレーするならシーズンを通してプレーしなければ意味がないとも思っているはずである。

そういう意味では当然というべきか、クラブからの提示されたオファーの後者をネドベドは拒否した。そして彼の代理人は続けて「引退かどうかはコンディション次第だ。ただ彼は子供が好きだし、誰かに何かを教えることも好きなんだ」と述べている。

3部に相当するセリエC1のランチャーノがネドベド獲得の意思を表明し、カイトやモドリッチといった名前が次々と後継者候補に噂されるなど、事態は収拾の欠片さえ見えない。全てはネドベドの決断次第である。



ほな、また。

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