出場国が一通り出揃ったユーロ2008。
それぞれのドラマを皆さんはどのように味わっているだろうか。

個人的にはほぼ順当な結果に落ち着いている印象を受け、持たざる者のミスに付けこんだ持つ者の試合巧者ぶりがより際立っているように感じる。唯一と言ってもいいイタリアの失態も相手のレベル、そしてカンナバーロの離脱を差し引いても、「ピンチの後にはチャンスあり」を鮮やかに、そして確実に実践したオランダの狡猾さが印象的だった。

ただ逆に言えば、娯楽性とでも言おうか、少しスペクタクルには欠けるきらいもなくはない。カウンターからの得点が多く、ボールの影響から前回W杯に続いての増加が見込まれたミドルシュートもここまではあまり見られていない。決して守備的な戦いが続いているとは思っていないし、試合が退屈かと言えばそうでもない。それでも順当な結果から受けるイメージが、胸を熱くさせる興奮を呼び起こしてはくれない。イングランドを除いてほぼ順当な国が勝ちあがった本大会なのだから、実力は当然のように拮抗している。つまりは相手の出方をまずは窺うという攻撃的消極性が一番に指揮官の頭をよぎる。しかも大事な初戦である。今後第2戦、第3戦と続く中で、その点にも変化は生まれてくるだろう。
何しろドラマはまだ始まったばかりである。

ところで、強豪国の中で唯一、本大会出場を逃したイングランド。代表選手たちはどのような思いで今回のユーロを見ているのだろうか。
去りしシーズンの疲労を癒し、来るべき新シーズンに向けての英気を養っているであろうバカンス先で、テレビに映し出されるサッカー界のビッグイベントを彼らはどう感じているのだろうか。自分達が出るはずだった舞台をあえて避けている選手もいるのだろうか。ジェットコースターのような展開から奈落の底に沈んだ予選でのイングランド。沈められた因縁の相手クロアチアはモドリッチのPKで初戦を飾っている。“たら・れば”は禁物だが、それでもクロアチアを自分達に置き換えて、悔しさを胸に溜め込んでいるのだろうか。

例えば、ミドルシュートと言えばジェラードの代名詞と言えなくもない。
ジェラードが本大会に参加していれば、もしかしたらもう少し胸を熱くしていたかもしれない。それ以前にイングランドが参加していないという事実が、すでに興奮を呼び起こせない一因となっているのかもしれない。とはいえイングランドが参加していれば、それはそれでスペクタクルとはよりかけ離れることになるかもしれないのだが。



ほな、また。

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